ちいさな哲学者たちの上映会を開催してわかったこと

「ちいさな哲学者たち」というフランスの映画があります。
世界で初めて3歳から2年間子どもと先生が哲学を通した授業をおこなったドキュメンタリー映画です。

今回その映画の自主上映会を行いました。
http://atnd.org/event/E0000618
場所の確保や託児のことなどいろいろな人に協力してもらえ、楽しい上映会になりました。

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ちいさな哲学者たちとは

パリ近郊のZEP(教育優先地区)にある幼稚園で3歳から2年間哲学の授業をおこなったドキュメンタリーです。

「愛とはなにか」「自由とはなにか」など大人でもなかなか思いつかないような簡単そうで難しい問題にも、子どもなりの答えで真剣に答えている様子がかなりリアルに映されています。

この映画を知ったときに「哲学って難しそう」だなと思いながらこの予告編をみてみると、「哲学」って言葉が難しいだけで、つまりは相手の話をよく聞き、関心を持ち深く考えるという基本的なことなんだと知りました。

答えが一つでないことを許容すること

この映画では、子どもに対して決して「これが答えだ」というシーンは一つもありません。こどもそれぞれが「考えて思ったこと」を突き詰めて深く考えていくことが大切で、決してみんなで一つの答えを見つけようとしません。

舞台となった幼稚園は、特別優秀な場所でもなく移民の子や貧富の差も多いエリアで、実際に肌の色をめぐった議論や、豊かさや貧しさについて話すシーンでは「そこまで言っていいの?」と思う発言も多いのですが、子供たちは大人だと自分への批判と受け取りがちな発言を許容するシーンがあります。

自分が思い込んでいる事が唯一の答えでない。子どもは子どもなりに答えを持っていて、その考えを尊重してあげるのも大切なんだなと思いました。

かんがえる事を意識的に考える

哲学というと、すごく堅苦しくて難しいという印象を持っていました。でもこの映画の予告を見たり、土屋先生の話を聞いていくうちに、一つの事を深く考えること。それだけでいいんだと思いました。

日常生活をしているといろいろな出来事について、深く考えず流してしまいがちです。特に子どもや家族など過ごす時間が長くなれば長くなるほど無関心になり、相手の考えていることを流してしまいます。(身に覚えもあります)

この映画でも最初は子ども達はどうしていいかわからず何も話さなかったのに、哲学の授業を通して先生が子どもの考えに耳を貸し、興味を持ち続けることで子どもからも積極的な意見が出てくる。そしてみんなで一つのことを考えてそれぞれが頭の中で整理していく。

もう一度意識的に考える事をしてみようと思いました。

大人が思う以上に子どもは色々感じている

先生「大人は子どもより頭がいいと思う?」
子ども「そんなことない。だって大人は『お前たちは何も知らない、何も知らない』と言うんだから。ぼくたちだっていろいろ知っているもの!」

頭がいいって具体的なようで抽象的です。こどもがどれくらい考え行動しているか大人は全然知りません。思っている以上に子どもは子どもなりに考えて行動しているのです。常識のバイアスが無い分大人よりずっといろいろ感じて生活しているんだなと思いました。

子どもは親をうつす鏡だと言われますが、日頃から子どもによく見られているんだということを意識していきたいなと思います。

土屋先生のこどもの哲学について

土屋先生は茨城大学で現代哲学と子どもの哲学を研究されていて、活動的に哲学対話を実践されていて、とてもフットワークの軽い先生です。実際にいくつかの小学校で哲学対話の授業をされていて、毎日小学生新聞で特集が組まれていて、子どもの哲学の現状と今後について話をしてもらいました。

  • 海外ではハワイ・オーストリア・韓国などで行われている。
  • 言葉を信頼し、答えのない疑問から逃げずに考える。
  • わからないときはわからないというなど議論のルールを覚える。
  • 相手と意見が違う時は反論して、自分の意見を必ずいうようになる。
  • 相手の視点を理解して、文脈を読み取る訓練になる。
  • 日本は道徳教育でこれが正しいと教え込むが、正しいことは一つではないことを学ぶ。

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その後行われたトークセッションでも2時間議論や意見がとどまることなく、白熱しました。

今回参加して頂いた60名の方も、教育関係の方や、子育て中の親子、哲学が好きなひとなど多種多様な人がそれぞれの立場と意見で土屋先生のファシリテーションで頭を使いっぱなしでした。

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自然と人が繋がった上映会

この映画の上映会を開催したきっかけは、Facebookでこの映画をシェアしたら、何人もが見たいということになり盛り上がりました。その時一緒にコワーキングしていた直子さんとコクヨさんに話したところ、開催場所として品川のエコライブオフィスを提供をしてくれることになり、上映会を行うことになりました。

この映画は子どもが居る親にも見てほしいと思っていたので、託児はやりたかったし子どもが大人に混じってみるのもいい雰囲気を作りたいなと思い、託児ルームも会議室を使わせてもらいました。
当日の託児については、コワーキングスペースであっていたNPO日本冒険遊び場協会の人から紹介してもらったこじまさんや児童教育の大学生の三人にもボランティアで協力してもらえました。将来は保育士さんになりたい子ですごく真面目に熱心な学生三でした。

上映会の話が進んでいったとき、下北沢オープンソースカフェのやよいさんが土屋先生と大学の先輩後輩という仲で、今回の上映会にも興味を持ってもらえ、哲学についての話とトークセッションをしてもらいました。

自主上映の話をしているうちに茨城大学の土屋先生も紹介してもらい。そして映画の後のトークセッションもやりましょうというお返事も頂き、全てはいろんな人が協力してくれて上映することができました。

はじめてfacebookイベントとATNDの事前決済を使ったのですが、色々わかったこともあるので、また次回まとめようと思います。

コクヨさんのエコライブオフィスは環境負荷の掛からない次世代のオフィスを想定して作られた場所です。開放的で外でも仕事ができ、こどもも楽しく駆け回っていました。会議室も「檜」「松」「杉」と木の名前がついていて、実際にその木で作られた部屋なので、匂いが違い五感を刺激されます。こんな素晴らしい場所を提供してくれたコクヨの万木さんありがとうございました。

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ちいさな哲学者たちの上映会を開催してわかったこと」への1件のフィードバック

  1. 松井 つるみ

    いいですねー。今この歳に成って、若い時色々考えてやって来たつもりが、子供達にちゃんと、伝わっていたか?反省させられる今日この頃です。御若い方達が、新しい形で活動している姿に、私もワクワクしてきます。自由が丘デパート古くて使い勝手悪いですが、食育のイベントやってみたくなりました。色々な、目的に使って頂きたい物です。

    返信

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